持続可能な開発目標

SDGsとは国連が2015年に合意した文書「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」に記された、2016年から2030年までの15年間の長期目標のことです。合意文書の正式名称は「我々の世界を変革する~2030アジェンダ」です。

2016年から、わたしは日本各地で地方の中小企業のみなさんやNGO,NPOの皆さんを対象とした「SDGs入門セミナー」を開催してきました。その多くはジェトロ(日本貿易振興機構)とJICA(国際協力機構)の共催の形をとっています。

(S)すっごく(D)大胆な指切り(G)げんまん

入門セミナーでは、私はSDGsを「すっごく、大胆な、指切りげんまん」である、と説明しています。これは、単なる語呂合わせではありません。

SDGsのスローガンである「我々の世界を変革する(Transforming our World)」という一見ありふれた文言には、従来の国連文書に比べて格段に大胆な世界観の転換が含まれていると、私は思うのです。気候変動(気候危機)や、地球規模の格差拡大、やむことのない紛争という現実を直視する時、「これまで通りの社会・経済のあり方続けていては、もはや地球も人類社会も持続可能ではない」という危機感を感じ取るのは不自然なことではありません。むしろ、今この危機感を感じ取らなければ手遅れになるかもしれないのです。それが、SDGs成立の背景にある認識です。つまり、SDGsは人類の将来に対する強い危機感に基づいた、大胆な自己変革の宣言なのです。

外務省の仮訳では「transfrom」を「変革」と訳していますが、この言葉は本来、姿「form」をすっかり変える「trans」ことを意味します。それは衣装を取り換えたり、髪形や化粧を変えるといったレベルではなく、例えていうなら「さなぎ」が蝶に孵るような「変態」を志向している宣言なのだと思います。大胆ですね。そこが、開発社会学者としての私の関心の所在でもあります。

SDGs研究の中でも、私は、企業活動とサプライチェーン・マネジメントの関係に焦点を当てて研究を続けています。それはこれまでの、フェアトレード研究、BOPビジネス研究の延長線上に位置づけられるテーマでもあります。このコーナーでは、各地で行ったセミナー講演の概要などをご紹介していきたいと思います。詳細は、以下のリンクからご覧ください。