日本の開発経験/生活改善

日本は明治維新(1867~)、第二次世界大戦後(1945~)の二度にわたって、「開発の時代」の荒波をかいくぐってきました。明治維新は世界で最初に成功した「非西欧諸国による近代化」実験でした。また第二次世界大戦後の日本の「復興」プロセスは、「紛争後の産業復興」「占領下の社会改革」「食糧安全保障の獲得」「社会の民主化」といった、現代の途上国が直面する課題と同じ課題に立ち向かった経験です。その中でも特に農村部で展開された「生活改善運動」は、貧困削減、農村開発、女性のエンパワーメントなどの要素をふんだんに含んだユニークな経験です。日本の全国にいる当時の若妻たち(現在70-90歳代)を各地に訪ねて、当時のお話を聞くフィールドワークは、途上国に行かなくてもできる「開発研究」です。