佐藤寛 / さとかん / Sato Kan Hiroshi

学歴

1981年3月 東京大学文学部社会学科卒

職歴

1981年4月       アジア経済研究所入所(2023年3月退職)
1985年3月- 1987年3月 イエメン・アラブ共和国(当時)サナア大学客員研究員
1997年3月- 1999年3月 イエメン共和国サナア大学客員研究員兼保健大臣アドバイザー
2007年4月- 2009年6月 研究支援部長
2009年7月- 2010年3月 貿易開発部上席主任調査研究員
2010年4月- 2010年6月 海外調査部上席主任調査研究員
2010年7月- 2011年6月 海外調査員(ブライトン)
2011年7月- 2012年3月 国際交流・研修室 室長/開発スクール(IDEAS)事務局長
2012年4月- 2014年6月 研究企画部長
2014年7月- 2015年3月 研究企画部上席主任調査研究員
2015年4月- 2019年3月 新領域研究センター上席主任調査研究員
2019年4月- 2023年3月 研究推進部上席主任調査研究員

その他

1987年4月- 1988年3月 在イエメン日本国大使館専門調査員(出向)
1990年3月- 1990年10月 花と緑の国際博覧会(大阪) イエメン館出展代表代理
1991年7月- 1992年6月 国立民族学博物館外来研究員(出向)
2002年11月-2008年11月 国際開発学会副会長
2005年3月- 2005年10月 愛・地球博(名古屋)イエメン館アドバイザー
2010年7月- 2011年 7月 サセックス大学開発研究所客員研究員
2011年11月-2014年11月 国際開発学会会長
2013年12月- 日本イエメン友好協会専務理事
2017年1月- Global Development Network 日本代表理事
2020年- 一般社団法人ソリダリダード・ジャパン共同代表理事
2023年-   福岡県立大学附属研究所研究員
2023年-   国立国際医療研究センター国際協力局客員研究員

2023年4月- 開発社会学舎主宰

所属学会

国際開発学会(会長2011-2014)
日本社会学会
日本中東学会

開発社会学にたどり着くまで

 1957年生まれ。東京郊外の新興住宅街で生まれました(自宅分娩です)。両親は戦後四国から東京に出てきた上京組で、父は地方公務員、母は専業主婦でした。以来、中の下あたりに位置する平均的な日本の家庭として、高度成長を体感しつつ生きてきました。今にして思えば、その体験の一つ一つが、私が「開発」と「近代化」に関心を持つきっかけとなっていたのです。

 東京オリンピック(1964年)は小学校一年生、近所の道路はいつも工事中でした。小学校は一クラス53名。私の一年上の学年までは児童が多すぎたので「二部制」だったそうです。小学生の間に自宅にテレビ、洗濯機、冷蔵庫(当時三種の神器と言われたものです)、そして黒電話が初めて我が家にやってきました。

 大阪万博(1970)は中学一年生。テープレコーダーが自宅に現れて、自分の声を聞けることにびっくりしました。同じ中一の夏休みの部活で「光化学スモッグ」にやられました。公害が、日本中で問題になったのもこの頃です。「バレンタインデー」というわけのわからないお祭りが始まったのは中学三年生の頃。我が家の白黒テレビは、1972年の札幌オリンピックを契機にカラーになりました。

 都立高校で部活に専念するというぜいたくにうつつを抜かしていましたが、1974年のオイルショックでトイレットペーパー売り切れという奇妙な現象を目撃し、都内の家庭ごみ増加を受けた「杉並ゴミ戦争」が、運動会のパレードで取り上げられました。

 担任教師の見立て通りに大学受験に滑り、浪人というぜいたくをまた一年。この頃は受験塾業界の上り坂の時期で、代ゼミ(代々木ゼミナール)と駿台が幅を利かせていました。

 大学に滑り込んでもあまり勉強は好きではなく、部活(軟式庭球という地味な運動ですが)を続け、夜はファミレスのウェイターと家庭教師で小遣いを稼ぎ、運転免許を取るという、ありふれた(でも、世界規模で見ればとってもとっても恵まれた)学生生活を無自覚に送っていました。
 大学の専門課程(3年)に進んだものの、本郷の学生たちのスノビズム(己の才覚をひけらかす感じ)になじめずにいたのですが(劣等生のヒガミですね)、「国際社会学」を講じてくださった馬場伸也先生、小倉充夫先生の講義でようやく勉強する気になり、卒論で「開発社会学」に取り組みます。

 就活の時期になり、周囲は「商社マンか体育の先生でしょ」と予想していたのですが、アジア経済研究所に入り「研究者」として生きることになったのが、1981年の4月でした。こうして、私の「開発社会学者」としてのよちよち歩きが始まったのでした。

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