開発や開発援助プロジェクトと、社会学・人類学(イギリスでは社会人類学というカテゴリーもあります)の関係は1990年代になるまで、かなり希薄で、どちらかと言うと「敵対的」でもありました。それは、社会学・人類学がミクロレベルでの「人々の生活」に関心を寄せており、20世紀後半の「開発プロジェクト」がマクロ経済的な成長を重視するあまり、人々の生活にその負の影響が及ぼされることが、ままあったからかもしれません。
私は、1990年から91年にかけて「国立民族学博物館」(民博)に在籍し(外来研究員)、様々な人類学者と対話する機会を得て、これを踏まえて1992年からアジア経済研究所で「援助研究」を立ち上げる事になりました。
これと併せて、開発人類学・社会学をテーマにした自主勉協会とゼミナールを開催してきました。
・開発援助と人類学勉強会 1994/2/15~2008/4/12
全100回 一覧(開発援助と人類学の巻末資料pp.281-288)
・成果物
- 翻訳 マイケル・チェルネア編『開発は誰のために 援助の社会学・人類学』1997 日本林業技術協会
- 佐藤寛・藤掛洋子編『開発援助と人類学』明石書店 2011